「大麻ホテル」のオープンパーティーで大麻たばこを吸う人(c)朝日新聞社
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 米国マイクロソフトが合法大麻の流通支援ビジネスへの参入を決めたことが話題となっている。米国ではすでに20以上の州で「医療大麻」が合法化されており、嗜好品としての使用を認める州や都市まで出てきている。

 大麻市場は拡大する一方だが、大手企業の多くは参入を避けてきた。だが、マイクロソフトが先陣を切ったことで大麻ビジネスのイメージが大きく変わりそうだ。といっても、マイクロソフトが大麻を直接販売するわけではない。州や自治体の大麻販売を管理するソフトウェアでビジネスを展開しているベンチャー企業と提携し、大麻取引の監督・追跡を支援するのが目的だ。今まで大麻を合法化した自治体は中小企業のサービスに頼らざるを得なかったが、これからは大企業のビジネス分野のひとつとなりそうだ。

 これをきっかけに日本でも「大麻を解禁すべきだ」との意見が以前にも増して盛り上がっている。大麻はヘルニアの激しい痛みや末期がん患者の苦痛緩和などに効果があるとされ、医療大麻の“解禁”を望んでいる患者は国内でも少なくない。

 昨年末、神奈川県の末期がん患者の男性が大麻を所持したとして逮捕・起訴された事件も話題になった。男性は「すべての医師から見放され、治療のために大麻を自ら栽培して使用したところ症状が劇的に改善した」とし、裁判では「大麻使用は憲法で保障された生存権の行使だ」と無罪を主張。これに「法律よりも命が大事」「誰であろうと法は守るべきだ」と賛否が巻き起こっている。

 日本では「ダメ。ゼッタイ。」と覚せい剤などのハードドラッグと一緒くたにされてきた大麻だが、海外ではアルコールやタコバよりもはるかに依存性や健康被害が少ないとの複数の研究結果がある。オバマ米大統領も「アルコールより危険が大きいとは思えない」と明言している。

 ただし、決していいことずくめではなく、大麻解禁後に問題が発生しているとの指摘もある。例えば、米経済誌『フォーブス』の日本版ウェブサイトは6月8日付で「大麻の合法化以降、ワシントン州で自動車事故が急増」などと報じた。記事によると、「AAA(米自動車協会)」の交通安全基金がワシントン州で大麻が合法化された2012年前後の重大事故を検証し、運転に先立って大麻を使用していたドライバーが2013年の8%から2014年に17%と倍増したと発表している。事故との因果関係に科学的裏付けはないが、大麻解禁のデメリットのひとつとなる可能性が指摘されている。

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