トップチーム未経験のブロッキ監督は、再び名誉会長お気に入りの4-3-1-2に変更。だが、劇的な変化は望むべくもない。むしろ降格圏の格下相手にも勝てない体たらくで、リーグ戦を7位で終えた。コッパ・イタリアでも優勝できなかったミランは、チャンピオンズリーグ(以下CL)復帰どころか、欧州カップ戦の舞台に3年連続で立てなくなった。

 監督交代でまたも出番を失いながら、腐らずに新体制3戦目からポジションを奪い返した本田は、常にチームを考える献身的なプレーと高いプロ意識で、最終的には必ず評価されてきた。だが、イタリアでは攻撃の助っ人に決定的な仕事が求められるだけに、1得点という結果に批判の声も少なくない。

 10月の本田の提言が生かされていれば、今季のミランがこのような結末を迎えることはなかっただろう。買収話で今後も不透明なミランと本田の契約は残り1年。移籍するのか、契約を延長するのか、来夏の自由移籍を目指すのか。背番号10の決断が注目される。

 一方の長友はというと、本人も認めるとおり、序盤はかつてないほどの苦境にあった。当初からロベルト・マンチーニ監督の構想外とされ、移籍のうわさが絶えなかった背番号55は、開幕から8試合で7戦出番なし。第9節パレルモ戦でようやく初先発したが、第14節ナポリ戦での退場もあり、なかなか出場機会を得られず、16試合で先発出場はわずか5試合という状況だったのだ。

次のページ