この記事が掲載されたのは地方版に限られたが、毎日手紙を運ぶチャアチャの愛らしい姿と、波恵さんとの心温まる交流が大反響を呼ぶ。動画は全国でヒットし、大きな話題となった。

 現在107歳の高木波恵さんは、1月下旬に日本列島を襲った大規模寒波の影響で、肺炎を患い、2回入院した。最初は1カ月以上の入院で、2月末に退院したものの、わずか1週間後に再発し、3月末まで再入院が続いた。

「入院が続いた間も、チャアチャは毎日のように波恵さん宅へやって来ました。波恵さんが使っていたこたつのふとんに横になり、さみしそうに寝ていました。退院してからは大喜びの日が続きますが、波恵さんは入院中に動けなかったので体力がかなり衰えてしまい、チャアチャと以前のようには遊んでやれません。波恵さんはいま、介護ベッドに寝ており、訪問介護を毎日受けています。チャアチャは、波恵さんが介護を受けている間、ベッドのまわりを何度も回って、波恵さんの様子を心配しているそうです」

 そんなチャアチャの「癒やし」効果もあるのか、波恵さんは少しずつ体力を回復している。食欲は徐々に上がり、最近はハンバーグを食べられたという。

「意識はずっとはっきりしていて、相変わらず記憶力は抜群。長寿の秘密を解き明かそうと、波恵さんを研究対象の一人として研究を続ける慶応義塾大学医学部『百寿総合研究センター』の先生が今年も来るかもしれないことを話すと、『またテストを受けたい』と前向きです」

 しかし、自宅に戻ってから2週間もたたないうちに、今度は地震に見舞われる。4月14日の「前震」と16日の「本震」は、最も被害が大きかった熊本市や益城町、阿蘇地方だけでなく、波恵さんが住む玉名市も襲った。

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