――さて、ベストアルバムがリリースされますしたが、初回限定生産限定盤には60曲もの曲が収録されますね。
水野 5年目のときにベストアルバムを出していたので、最初はそこからあとの5年に出した曲でベストを作ろうという話でした。でも、途中で話が変わって、デビュー10周年だしこの時点でのベストにしようと。じゃあ、5年前の『いきものばかり』を超えるアルバムにしようとしてタイトルに「超」が付き、前作よりもボリューミーなものにしようと。それでこういう際限のない形に(笑)。いきものがかりのアルバムを買ったことがない人でも、ベストアルバムは手に取りやすいものだと思いますので、初めてちゃんと聴く人も楽しめるものになったかと思いますています。
――新曲も4曲収録されていて、「ぼくらのゆめ」は10周年をテーマにした曲だと思いました。
水野 これまで自分たちのことを歌うことをやってこなかったので、この10周年を機会に、ほぼ初めてと言っていいくらい自分たちのことだけを、メンバーに対して手紙を書くようなスタイルで書きました。聴いてくれた人たちに、「僕たちは幸せな形で10周年を迎えることができました、さらに前に進んで行きたいです」ということが伝わればいいなと。いきものがかりではイレギュラーな曲ですね。
吉岡 最初に聴いたときに、ハッと思いました。詞を読んでいるうちに、なるほど、自分たちのことを歌っているんだなと。自分たちのストーリーとか思いを歌うことに踏み込んだなと。新しい風が吹いているなと思いました。
水野 10年やっているといろんな人との出会いがあって、僕らの感覚としては、ここまでこれたのは運がよかったなという思いでいっぱいです。ここでこの人に会わなければ、今の自分たちはなかったと思うので、今のこの幸せな気持ちを素直に書いた感じですね。
――みなさんの中で、欠かせない出会いとはどんな方との出会いですか?
山下 大学生になって初めて地元のライブハウスでワンマンライブをしたんですけど、手売りで300人くらいにチケットを売って、自分たちなりには大規模なライブだったんですね。そこに、たまたま初代のマネージャーになる事務所の女性が観にきていて、それが大きかったです。
吉岡 私は、デビューする前後1年のときのディレクターさん。すごく自分たちのお尻をたたいてくれる方で、私たちが路上でやっていたときの曲をバンドアレンジしてくれて、それをより多くの人に聴いてもらうことへの自覚を気づか持たせてくれた人です。相当キツくてしんどかったけど、いっぱいたたいてもらって良かったですね。それから今のディレクターさんは、自分が気づかない部分を引き出してくれます。歌を歌っている人間としては、このお二方はものすごく強烈な存在だなと思います。あ、2人言っちゃった(笑)。