●閻魔大王や奪衣婆に会いに行こう!
私のような人間が多くいたのだろう、できることならあの世で手加減してもらえるように、と思ったかどうかは定かでないが、閻魔大王や奪衣婆を祀るお寺がいくつもある。最後に私の得意分野の東京都内のほか、いくつかスポットをご紹介しておこう。
●太宗寺(東京都新宿区)
都内最大の閻魔大王像と奪衣婆像が閻魔堂に鎮座する。このほか「新宿山ノ手七福神」布袋さま、三日月不動像、江戸六地蔵の1体などを祀っている。
●正受院(東京都新宿区)
「綿のおばば」と呼ばれる奪衣婆像がある。せき止めや子どもの虫封じに御利益あるとして幕末頃に大人気となった。像の作者は小野篁(平安時代の貴族。生前より地獄で閻魔大王の補佐をしていたらしい…)と伝わっている。
●法乗院 深川ゑんま堂(門前仲町)
ハイテクえんまとして有名。おさい銭を入れるとえんまさまの声で分かりやすいお説教が述べられる。本堂一階の地獄絵もシビアである。
●九品仏浄真寺(東京都世田谷区)
「九品仏」(9体の阿弥陀さま)が有名なお寺であるが、閻魔堂にはえんまさまと奪衣婆が鎮座する。境内は奥沢城跡で今でも広大な敷地をもつ。
●円応寺(神奈川県鎌倉市)
平安・鎌倉期に活躍した有名な仏師・運慶が、死の淵から蘇って製作したと伝わる閻魔大王が有名な鎌倉のお寺。十王(地獄で死者の裁判を行う王。閻魔大王はこのうちの1王)像や奪衣婆、獄卒(亡者を責める鬼)像など地獄関連の像が勢ぞろいしている。
●六道珍皇寺(京都府京都市東山区)
「六道の辻」という別称を持つあの世とこの世の境目と言われるお寺。小野篁が地獄へ行き来する際に使っていたという「冥土通いの井戸」がある。閻魔堂には閻魔大王と等身大の小野篁像が。3月18日までは「地獄絵」も特別公開中。
●全興寺(大阪府大阪市平野区)
地獄へ落ちるかどうか判断してもらえるという地獄のアトラクションともいうべき体験型「地獄堂」がある。閻魔大王や十王、獄卒、奪衣婆が勢ぞろい。子どもに人気のスポットだとか。ホームページでも一部は体験できる。(筆:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)