


見渡す限り砂のじゅうたんが広がる鳥取砂丘(鳥取市)。長年、全国47都道府県で唯一スターバックスコーヒーがなかった鳥取において、平井伸治・県知事が「スタバはないが、スナバ(砂丘)はある」と胸を張ったほどの代表的観光スポットだ (スターバックスは2015年5月に出店)。
その砂丘が、にわかに注目を集めているという。砂丘ならではの魅力を生かした取り組みとは――。
東西16キロ、南北2キロの広さを誇る鳥取砂丘。その入り口にあたる市営駐車場には現在、巨大な砂の彫刻「砂のスター・ウォーズ」が展示されている。15年12月公開予定のシリーズ最新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」公開に先駆けお披露目されたものだ。
14年12月、最新作に砂漠のシーンが盛り込まれていることから、映画の配給元であるウォルト・ディズニー側が市側に彫刻制作を依頼。市側は「世界的な映画に絡めて砂丘をPRできる」と快諾し、プロジェクトがスタートした。近くにある「鳥取砂丘砂の美術館」総合プロデューサーで砂像彫刻家の茶圓(ちゃえん)勝彦さん(54)が約2カ月かけて制作したという。
高さ3.4メートル、幅7.4メートル、奥行き4.2メートルで、使用した砂の総量は約160トン。シリーズでおなじみの「R2-D2」や「C-3PO」だけでなく、最新作に登場する新キャラクター「BB-8」も見ることができる。また、ミレニアム・ファルコンやXウィングなどの飛行体までもが立体的に表現されていて、なかなかの迫力とスケールだ。
彫刻の製作に関わった市の担当者によると、制作期間が8月下旬から10月上旬と台風シーズンまっただ中だったため、大型の台風が接近した際は彫刻を防風ネットで囲うなどの策を取ったが、強い風雨に「半分あきらめかけた」こともあったという。
制作者の茶圓さんは「世界中の誰もが知っている『スター・ウォーズ』のキャラクターを作ることは大変なプレッシャーだったが、無事完成してとてもうれしい」とコメントする。