モロッコの朝食。ベルベルオムレツ(左上)、モロカンサラダ(右上)、ムサンメン(右下)、バグリール(左下)
モロッコの朝食。ベルベルオムレツ(左上)、モロカンサラダ(右上)、ムサンメン(右下)、バグリール(左下)
店内には大きなテーブルがひとつあり、みんなで食卓を囲むスタイルで食事をする
店内には大きなテーブルがひとつあり、みんなで食卓を囲むスタイルで食事をする
宿泊施設で外国人客に書いてもらったという朝食の絵。それぞれの国のカラーが現れている
宿泊施設で外国人客に書いてもらったという朝食の絵。それぞれの国のカラーが現れている

 フランス料理にイタリア料理、インド料理……すっかり日本でも定着した海外の料理。でも、その国の「朝食」となると知らない人も多いのでは。そんな知られざる「世界の朝食」を味わえるレストランが今、話題になっている。

 それが渋谷区・外苑前にある「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」。世界のさまざまな国の「朝食」を提供するレストランで、テーマとなる国は2か月ごとに代わる。例えば今年に入ってからは1、2月はロシアの朝食、3・4月はペルー、5・6月はスペイン……といった具合だ。

 記者が訪れた9月、10月のテーマは「モロッコの朝食」。モロッコ料理はただでさえあまりなじみがないのに、その朝食となると……まったく想像がつかない中で、早速オーダーしてみることに。

 サーブされたのは、大きな皿に4品目が盛られたワンプレートメニュー。その内容について、店長の朝倉裕子さんが説明してくれた。

「まず右奥にあるのが、モロカンサラダです。クミンやパクチーなどのスパイスや香草が効いているのが特徴です。その手前にあるクレープのようなものは、ムサンメンと呼ばれるモロッコのパンの一種。はちみつと溶かしバターがかかっています」

 サラダはスパイスの香りが効いていて、中東料理独特の風味がある。ムサンメンはしっかりとした生地で、ナイフで切るのに苦戦したが、口に入れるとほどよい硬さで食感がいい。

「その左側にあるのが、ベルベルオムレツ。『ベルベル』というのは、モロッコの先住民を指す名前なんですよ。その隣は、バグリールというパンケーキ。細かな穴が空いています」

 ベルベルオムレツは、卵がポーチドエッグのように半熟で、黄身とトマト味の具材とを混ぜるとまろやかな美味しさ。バグリールはもちもちとした食感で、上にかかっているナッツとあわせて食べると香ばしさが口に広がる。

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