「永田町20年戦争」の主役、小沢一郎衆院議員(70)が、いよいよ最終決戦に臨む。新党名は小沢氏がこだわったという「国民の生活が第一」だ。

 長年にわたり「永田町随一の選挙通」を自任してきただけあり、民主党離党前から布石は打ってきた。

 6月5日に新党大地・真民主の鈴木宗男代表(64)と会談した際、早くも、

「『オリーブの木』みたいな形でやればいい。北海道は鈴木さんにお任せするので、お願いします」

 と、北海道での選挙の全権を委任した。

「オリーブの木」とは、1990年代のイタリアで、統一首相侯補を掲げて選挙戦を勝ち抜いた中道・左派連合のことだ。その先例にならって、地域政党である愛知県の「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)などと組み、地域を分割して選挙協力しようというわけだ。

「候補者のすみ分けを進め、ブロックごとに比例票を1党に集中させる構想もあります」 (小沢氏周辺)

 さらに小沢氏は7月4日、社民党の又市征治副党首(67)と議員会館の自室で会談。「心配かけてるな。選挙は早い。脱原発や反増税ではあんたのところと一致するから、いろいろやれるところは連携をとっていこう」

 と声をかけた。そして、こう言葉を継いだ。

「うちは沖縄の米軍基地問題も『県外』だからな」

 社民党は2010年、米軍普天間基地の移設問題で、鳩山政権が県外移設を断念したことに反発して連立を離脱している。小沢氏は相手の琴線に触れるテーマで、あえて踏み込んだ発言をし、歓心を買おうとしたのだ。

※週刊朝日 2012年7月20日号