試合中はローズ(左)は厳しい表情でプレーし、選手への助言も……
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ファンサービスも率先しているローズ
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明るい雰囲気で選手のモチベーションを高めるローズ
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 プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグは7月から前期日程が始まり、タフィ・ローズを擁する富山GRNサンダーバーズが好調だ。前期は西地区の最下位に沈んだが、後期は7月14日現在で勝率5割、首位の福井と1ゲーム差につけている。

 ローズに今後の目標を問うと、「富山が優勝し、選手をNPB(日本プロ野球機構)へ送り出すこと」ときっぱり。さらには「いつかNPBの指導者になりたい」とのこと。指導者としてのローズ、その人物像を選手のコメントを通じて探ってみた。

 ローズの薫陶を受け、打撃が開眼しつつあるのは、中軸を打つ米国出身のニック・エーキンズ外野手である。5月下旬には一時、打順が6番になるなど、調子が上がらなかった。しかし、6月にローズが入団した後から打撃は上向き、現時点の本塁打は7本で首位と、タイトル争いに絡んでいる。ほかの選手からは「明らかに変わり、自信を持ってプレーしている」との声が挙がっている。

 ニックは、2009年から11年まで米ドジャース傘下のマイナーでプレーして、今季から富山に加入した。4、5月の間は、投手の特徴が分からず、日本語も理解できないため、明らかに日本の野球に戸惑っている様子が見受けられた。ローズから「米国の投手なら2ボールになるまで直球中心の組み立てだが、日本の投手は早いカウントから変化球を多投する」など日米の投球の違いについて説明を受け、ニックは「傾向と対策」がやっと理解できたようだ。 

「打席に入る前にリラックスせよ」
「考えすぎず、1打席1打席に集中せよ」
「センター方向に打て」

 ニックは、このような助言が有益だったと言う。日本人の指導者も伝えていたであろう一般的な内容だが、言葉の壁があり、細かいニュアンスを理解できていなかったらしい。

 日本の食生活にも戸惑っていたが、「ローズと一緒に食べたすき焼きがおいしかった」とのこと。食事の際には、うどんやサラダなど、バランスよく食べるようアドバイスを受けたそうだ。

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