お茶を飲んだついでに、ランチを食べた後に……そんな気軽な感じで、心理カウンセリングが受けられる場所があるという。それが、東京・渋谷に誕生した『ココロゴトカフェ』。日本初の心理カウンセラーが運営するカフェで、今年6月渋谷にオープンした。資格をもったカウンセラーが10人ほど常駐し、心の中をのぞいてくれるという。
「あなた、心に深い闇を抱えていそうだから、取材に行ってきて!」。先輩にそう言われた私、編集A(独身、アラサー、女子)が同カフェをリポートする。
明治通り沿いにある明るい雰囲気の店は、見た目はいたって普通のカフェ(失礼!)。けれど、メニューにちょっとした心理テストや、「赤色気分のときは、ココロは元気でパワフルです」などの文言が載っている。私は青色の「癒しと回復のブルーベリーヨーグルトスムージー」をチョイス。「青色気分のときは、ココロは冷静です」とのこと。アラサーになっての初体験に少し浮き足立っていて、「冷静にならなくちゃ」と思っているせいかもしれない。
店長の松島卓瑠さんの胸には「聴くプロ。」と書かれたピンクのバッヂが。これが、全国心理業連合会(全心連)のプロフェッショナル心理カウンセラーの証。日本にはカウンセラーの国家資格はなく、いくつかの団体がそれぞれカリキュラムを組み、認定試験を行っている。そのうちのひとつがこの全心連だ。
松島さんによると、客の男女比は3:7。20、30代が多いが、80代の女性がカウンセリングを受けにくることも。「日本ではカウンセリングを受けるだけで病気だというイメージがあるが、心理学の先進国・アメリカでは多くの人に“マイカウンセラー”がいるのが当たり前。カウンセリングを受けてみたいがどこに行けばわからなかったという方が、気楽に来られる場所を作りたかった」という。
もちろん、お茶や食事をするだけでもOK。たまたまやってきて、カウンセリングが受けられることを知り、予約をしていく人もいるそうだ。
カウンセラーというと悩みを相談するイメージだが、実際にはどうなのだろうか。まずは実際にカウンセリングを体験してみよう。
最初に行ったのは、スケッチブックに木の絵を描くというもの。担当してくれるのは、この道10年の全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー・下山寿美子さん。A5版ほどの紙に、色鉛筆を使って自由に木を描くように指示される。3本の木を描き、それぞれに葉と赤い実をつけた。それに加えて、小さなウサギと猫のイラストも両端に。
書き終わったら、カウンセリングを開始。木が3本あるのを見て、「何かチームでやっているものがありますか?」と尋ねられた。木は、人の象徴であることが多いのだという。実があるのは目標、達成感があることを表し、花や動物は寂しがり屋の部分があることを示しているそうだ。「明るい色を使って、しっかりと全体に絵を描いているのでいい状況です」と先生。先輩、私の心に闇なんてなさそうですよ!