今から約30年前に「卵で産みたい」と発言して話題をさらった女優の秋吉久美子さん。これは、24歳のとき、5歳年上のミュージシャンと"できちゃった結婚"をした際の言葉だった。結婚はイメージダウンになると所属事務所が猛反対したとき、仕事に支障はきたさないと、押し切ったというが、発言の真意は何だったのだろうか。秋吉さんに聞いた。

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 結婚したかったというより、子どもができたから、責任をとったってことですね。付き合ってすぐにプロポーズされたんですが、私は、2年間気持ちが変わらなければって答えたんです。そしたら、ちょうど2年後に妊娠したので、これは神様の啓示なんだって。

 マネジャーが、周りには内緒にしてほしいと言うので、6カ月まで妊娠は伏せて仕事をしていました。オーバーワークでおしっこがこげ茶色になっているのを毎日眺めながら、アメリカロケもしていたし、出産して1カ月後には連ドラを2本こなしていました。腎機能も肝機能もぎりぎりだったと思います。

 卵発言は、女性が仕事をしながら子どもを産むことが大変だということを暗に伝えたかった。できることなら、3年ぐらい保存しておきたかったんですよ。特に映る仕事ですしね。

 結婚のイメージも普通の家庭のそれで、実はごはんも楽しく作ってました。でも、ずぶずぶとよくある家庭の形になるのが嫌で、あえてディスコで夜遊びをしたりしてました。

※週刊朝日 2012年7月13日号

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