もっとも公表対象となるような“大企業”の数は日本の全企業のうちごくわずかだ。中小企業庁の『2014年中小企業白書』によると日本の全企業約368万社のうち、大企業の数は約1万1千社、これは日本の企業全体のわずか0.3%だ。さらに「複数の都道府県に支店や営業所がある」企業となるとごく限られている。
それでも「ブラック企業として世間に公表する」という厚労相の指示は、中小企業にとってもインパクトあるものとして受け止められている。
「中小企業の場合、行政が公表しなくてもインターネット上で風聞の形で公表されるから。いちど『ブラック企業』とのレッテル貼りがなされるとそれを打ち消すことは実際は困難を要する」(前出の地場建設業者)
インターネット上での企業名公表とは、近頃プレオープンしたと話題の、「ブラック企業 ~ブラック企業を見極めろ!」というwebサイトだ。これは行政と違い企業名の公表にその規模で制限が設けられてはいないようだ。行政でも救い切れない闇に光を当てる存在といえよう。