「本人のため」と、思ってもはずすことだってしょっちゅう。タレントのマネージャーをやっている時もそうだったけれど、講師メンバーも同じ。

「安くてもいいから、講演できるならどこでも行きます。伝えたいことがあるんです」

 と、熱く言われて、必死でおせっかいして仕事を入れていると、

「こんなんじゃ体がもたないです」

 と、文句を言われることもいっぱい。

 それでもこんなケースは、まだまし。

 おせっかいしても相手の期待に応えられないことだってある。

 良かれと紹介した2人が上手く行かないことだってある。

 特にビジネスなど、

「うまく行くかどうかわからないけれど、会ってみますか?」

 と、断っているけれど、期待が大きければ大きいほど恨まれることもたくさんある。

「大谷さんがあの人と会えばいいと言われたから会ったのに、時間のムダだった」

 と、陰口を言われたこともあった。

 それどころか、わたしの知らないところでその2人がお金のトラブルになることだってあった。

 正直、紹介はしたけれど

「そんなやりとりしていたなんて知らなかった」

 と、言いたくても、

「大谷さんが紹介してくれた人だから信じたのに」

 と、言われたら、何も言えない。

 ふと、「なんでこんなにおせっかいしているのだろう……」と、思ったことがある。

 そして、気づいた。

 おせっかいしながら、わたしが元気になっていたということ。

 うまく行ったときの、「ありがとう」の言葉が嬉しい。

 紹介した2人が結婚して、子どもを連れて遊びに来てくれる瞬間は、めちゃめちゃ幸せ。

「大谷さんに出会えたから、今のわたしがあるんです」

 そう言われると、涙が出るくらいに嬉しくなる。

 結局、おせっかいしながら、わたしが幸せと元気をもらっていたことを発見。

 そう思うと、わたしの周囲には、ほんまわたし以上におせっかいな人が多い。

 富山の南砺市で「なんとおせっかい」というチームを組んで婚活などを支援している人たちもいる(笑)。

 そして、おせっかいしているメンバーって、みんなパワフルで元気。

「わたしたちがやるしかないよね」

 が合言葉。

 おせっかいできる自分に感謝しよう!

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