今年1月8日に設立された政党「日本を元気にする会」(元気会)が1月20日、都内で記者会見を開き、党の綱領などを発表した。その後、堀江貴文氏やITジャーナリストの津田大介氏らを交えたトークセッションも行われた。
新しいこの政党は、昨年11月に解党した「みんなの党」所属の国会議員4人と、「次世代の党」を離党したアントニオ猪木議員の5人でスタートしたもの。
タリーズコーヒージャパンの創業者で、参議院議員の松田公太氏が代表を務める。所属議員は松田氏と猪木氏のほか、山田太郎、井上義行、山口和之の各氏。
松田代表は、党の綱領や理念を次のように説明した。
「我々は自由経済や小さな政府などを基本理念に、日本初の、政策を国民と共に決定する政党を目指します。今こそ、国民の集合知、責任、そして想いを政治に反映させる時です」
ネットなどを活用することで、国民の声を生かしていく方針を明らかにした。さらに松田代表は、こう持論を展開した。
「国のリーダー(首相)を決めるのに、国民が直接投票できないシステムがおかしい。国民の意見を反映してこそ、真の民主主義になる」
日本では、投票によって政治家に権限を与える間接民主主義が採用され、定着してきた。しかし、その弊害を払拭するため直接民主主義型政治の実現を目指し、「議員や党内、議会だけの議論は行わない」「政治家は国民の代理人」などとする考えを示した。
続いて行われたトークセッションでは、松田代表と親交のある堀江貴文氏と津田大介氏も出演。松田代表らと真剣に、しかし、時に笑いを誘いながら次のようなやりとりを繰り広げた。
堀江「彼(松田代表)のように海外生活が長いと、世界から日本のことを見るんです。外にいると、日本がすごく気になる。ですから、政治家になったのは自然な流れだと思います。いま与党が強い中で、どういう立ち位置になるのか。でも、猪木さんと組むというんでびっくりしちゃった(笑)。野望とかあるんですか?」
松田「第三極の政党で野党再編という意識ではなくて、国民と一緒に政治を変えていこう。重要なことは国民投票をやって、その賛否比率によって我々も国会で投票する」
津田「政党もひとつの企業経営みたいなもの。でも、いま自民党が強い時代で、その中で松田さんの党が存在感を出すにはどういう戦略が必要だと思います?」
堀江「目立っていくしかないでしょうね。だって、民主党は岡田さんでしょ。一番地味な人になっちゃったんで。細野さんだったらまだ見てみたいかなって思わんでもないけど、岡田さんでしょ。だって、やること大体わかるじゃん」
松田「ホリエモンはもう政治に興味ないの。出馬するなんて考えられない?」
堀江「自分は出ないすかねえ。スマートフォン使えない国会とか、やってらんないっすよ」
松田「そこを改革しようと思ってるんですよ。iPadとか持ち込んで……」
堀江「安倍政権って改革や産業振興などは評価できる政策もたくさんある。片や古い自民党体質も残っています。地方は公共事業がその地方の産業になり、有権者も公共事業で潤っている。だから、大きな政府の方に賛成し、選挙を何回やっても大きな政府は勝っていくわけです。そこを一番改革してほしいですね」
津田「国会議員は国政のための代表で、地域代表ではないはずなんだけれども、実質的には地域の力学で動いている」
堀江「彼は、海外から日本を見ていた経営者です。政治をやらなくても食っていける。こういう人が増えていかなければいけない。松田さん、次の選挙いつなんですか」
松田「来年です」
堀江「大変だな」
松田「もしかするとその時、ホリエモンと東京選挙区で戦うことになるかも(笑)」
堀江「出ないっつーの(笑)。出ないんですけど、松田さんがそういう人を集めてほしいんですよね」
津田「どういう人がいいですか」
堀江「外資系の日本法人の社長だった人がいいと思う。日本のエリアマネージャーなので、日本のことばかり考えていて、一番日本人らしいんですよ。世界から見た日本の立ち位置がわかる有能な人が多い。逆に、日本で起業した人は外を向きますが」
津田「しかし堀江さんが登壇すると、話を全部持っていってしまう(笑)」
堀江「いや、僕あまり時間がないんでそろそろ帰りますよ(笑)」
松田「ありがとうございました」
記者会見とトークセッションの模様は、インターネット番組でも中継された。その最後に、松田代表はこう抱負を語った。
「今後は、経済人や実務家など民間の世界で必死にやった経験のある人に声をかけ、どんどんメンバーを増やしていきたい」
この日は欠席したが、「日本を元気にする会」最高顧問・猪木氏の「元気ですかー!」のように、日本に元気が浸透することを期待したい。
(ジャーナリスト・青柳雄介)