だから、彼女をたくさん傷つけてしまったのを覚えてる。
彼女と別れた直後も「彼女はボクのこと大好きなんだから、きっと戻れる。2、3ヶ月したらもう一回付き合おう」くらいに甘く考えてた。
でも、現実は違った。
「気持ちが切れちゃったからもう無理」って、彼女にはっきり言われちゃった。
ボクは、ひたすら後悔して、引きずった。
彼女が住んでいた町の近くをタクシーで通るたびに無意識に彼女の姿を探してしまったり、同じ香水をつけている女の子とすれ違うたびに思い出したりもした。
ピークで悲しい時は、パチンコで確変が出ているのに泣いちゃってたこともあった。
ボクはそれを先輩の芸人さんに見られていたみたいで「確変が出てるから喜んでるのかと思ったら、号泣してるし、異様な光景過ぎて、声かけられなかった」って、後日心配された。
そして、あるバラエティ番組で、ボクの後悔は爆発した。
後輩の芸人が、ボクにお酒をたくさん飲ませて、いろんなことを暴露させるみたいドッキリ番組があったの。ドッキリなんてボクはまったく気付いていなかったから、その時はかなりの量を飲んだみたいで、次の日、完全に記憶をなくしてた。
後日、その番組がオンエアされていて、ボクは驚愕した。
最初はビールやハイボール、レモンサワーを飲んでいたのに、いつのまにかボクは赤ワインを飲んでいたの。
そして、赤ワインをガブ飲みしながら大号泣。
「俺には赤ワインしかないんだー!」
「もう戻れないからー!」
って、わめいていたんだ……。
正直、頭がおかしくなりそうだった。
別れてから数ヶ月経っていたし、少しずつ立ち直れているような気がしていたのに「全然卒業できてないじゃん!」って、怖くなった……。
オンエアを見て、いかに自分にとって彼女が大切だったのかを改めて思い知ったよ。
彼女に対して、自分がもっと優しくなれていたら、もしかすると違う未来があったのかなって、今でもたまに考えるしん。
この反省をちゃんと次の恋に活かさないと。
ボクの場合は、尻にしかれるくらいじゃないとダメなのかもしれない……。
もう二度とあんな後悔はしたくないしん!
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)