AERA 2020年3月16日売り表紙に佐藤流司さんが登場
AERA 2020年3月16日売り表紙に佐藤流司さんが登場
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 2.5次元の舞台で活躍する佐藤流司さんがAERAに登場。さまざまなキャラクターを演じてきた佐藤さんが役との向き合い方を語った。

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 カメラの前に立った瞬間、梅の花を見つめる佐藤流司(25)の大きな瞳が潤み、妖艶な光を宿した。蜷川実花の世界観のなかで、そこでのみ生きるキャラクターを演じるように動き、わずかな間に物語を作り上げる。撮影が終わると、スタッフからは自然と拍手が起こった。

 佐藤は「和のテイストが好きなので楽しかったです」と言いつつ、こうも言う。

「あんまりホントの“素”はさらけ出したくない。人間ってヒントが少ないほど興味を持ってもらえる気がするから」

 17歳で「忍たま乱太郎」のオーディションに合格し、2.5次元舞台の道へ進んだ。器用なタイプではない。とことん役に入り、とことん引きずられる。「自分をどこかにすっ飛ばし」演じるキャラのみを心の真ん中に置く。「NARUTO」シリーズの初演では、演じたサスケ同様、短気になり、共演者が談笑する姿にもイライラした。

「いまでは役を自分の引き出しとして扱えるようになりましたが、やり方の本質は変わっていない。2.5次元を演じる上で、自分はいらないと思っているんで」

 本番中は体調を崩さない。体力には自信がある。だが、オフになった途端、体調が乱れる。

「舞台が終わった次の日は、だいたい熱を出します」

 それだけ、気を張り詰めて臨んでいる。

 一方、歌手としては器用だ。「ミュージカル『刀剣乱舞』」で演じた加州清光は「単騎出陣」(単独ライブ)を行い、2018年からは「PENICILLIN」のHAKUEIプロデュースでバンド活動も行う。ボートレースのCMでは俳優・佐藤流司として歌声を披露した。

「加州清光なら明るい声色で、サスケならガナリを多めにして感情的に歌う。CMはポップ寄りに、バンドは完全に自分の歌い方ですね。意識して歌うと、自然に気持ちが切り替わるんです」

 もらったものを消化してアウトプットする役者業と、自分の中で生まれたものをアウトプットするアーティスト活動。両輪でバランスをとりながら、表現者として成長していく。(ライター・大道絵里子)

AERA 2020年3月23日号