PCR検査に限らず、様々なことで報道の仕方が分かれる場合、視聴者は何を信じたらよいのだろうか。
「一番良いのは、日頃から発言内容が信頼できる『メンター』を分野別に立てておくことです」と語るのは、思想家の内田樹氏。
「医療分野ならAさん、政治分野ならBさん……と分け、各自の発言に耳を傾けること。例えば僕の場合、感染症に関してはクルーズ船内での感染症対応についての告発動画で注目を集めた神戸大学感染症内科教授・岩田健太郎さんの発言をフォローすることに決めています。誰を選ぶかは、最終的には自己責任だと思っています」
選定に関しては、発言内容のみならず、「語り方」もポイントになるという。「仮に発言内容が間違っていると批判を受けたとして、その時にどのような対応をしたのか見ておくこと。発言を『通算成績』で判断することが大切です」(内田氏)
危機下の状況も、見方を変えれば、個々人が判断力を養う「チャンス」となり得そうだ。(本誌・松岡瑛理)
※週刊朝日 2020年3月27日号
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