小林:ないですよ、そんなの(笑)。片隅でひっそりと生活してるので。
林:今度お出しになった本の素晴らしいところは、あの当時の六本木とか表参道の様子が出てきて、カルチャーがどのようにつくられていったかが書かれているところですよね。私は田舎の子なんで、小林さんが「キャンティ」でみんなに可愛がってもらってたころ、私は池袋に下宿してあんみつ屋でバイトをしていて、そんなカルチャーとは無縁でしたけど……。
小林:私はたまたま東京で生まれて育ったけど、海のそばなんです。そこから都心に出ていくと銀座があったり六本木があって、そこで遊んで帰るみたいな、だから“東京ローカル”という感じでした。
林:かまやつひろしさんが、ユーミンと小林さんをよく自分の車に乗せてドライブに行ってたんでしょう? 映画のワンシーンみたい。
小林:あのころはムッシュの車に乗って、よく3人で遊んでましたね。何してたんだろう。よくわかんないけど遊んでました。
林:バブルのころは、海辺にあった人気のディスコにもよく行ってたんですよね?
小林:「芝浦ゴールド」はよく行きましたね。バブル真っただ中。林さんも行きました?
林:私、ディスコって行ったことないんですよ。秋元康さんが私と柴門ふみさんを、営業が終わってお店の人がモップをかけてる「マハラジャ」に連れてってくれて、「ほら、お立ち台に立ちなよ」って(笑)。
小林:ゴールドはアブナい匂いがプンプンでしたよ。芝浦の何もないところに突然高いビルがピョ~ンとできて、上のほうが怪しげな食べ物屋さんだったかな。その上に大きな共同浴場みたいなのがあって、高速道路を見ながらみんな入ったんじゃないですかね。あれは何だったんだろう(笑)。私は遊ぶのを途中でやめちゃいましたけど。
>>【後編/小林麻美、突然の引退からユーミンと約30年ぶりに再会 交友を絶っていた理由は?】へ続く
(構成/本誌・松岡かすみ、編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2020年4月3日号より抜粋