小林:いろんなことがあって、私はいっさい仕事をやめて、芸能界から遠ざかって、交友もすべて絶って、ユーミンともここで終わりにしようと思って、ぜんぜん違う世界に飛び込んだんです。

林:違う世界というのは……。

小林:子どもを産んで、それこそ子どもの学校のバザーとか、塾の送り迎えとか、空手の道場の送り迎えとか、模試がどうしたとか、そういう世界。

林:マガジンハウスの「クウネル」の表紙になって復帰したのが何年前ですか。

小林:4年前ですね。

林:美しさがまったく変わらない、というんでもなくて、なんていうのかな、立っても座ってもアップになっても「あ、小林麻美さんだ!」という感じで、ぜんぜんおばちゃんっぽくないし、とにかくびっくりしましたよ。

小林:いやいや、もうほんとに、そんなこととはまったく無縁の世界にどっぷりつかってたので、浦島花子みたいな感じ(笑)。

林:どうやってこの美しさを保ってらしたの?

小林:いや、ちょっと待ってください。(両手で顔をおおって)「難アリ」ばっかりで恥ずかしいです(笑)。私、運動とかも嫌いなんですよ。かと言って、じっとしてるのも嫌いなので、エステとかもまったくダメだし……。

林:4年前の再デビューは、「クウネル」の編集長とか、昔、所属してたモデル事務所の社長さんにすすめられたのがきっかけだったんですよね。

小林:たまたま偶然、モデル事務所の社長さんとばったり会って、それが7年ぐらい前かな。それでごはん食べたりお茶飲んだりするようになったんですけど、サンローランの洋服が実家にずっとたまってたんですよ。捨てるのももったいないし、どうしようかなって相談したら、「今度、日本服飾文化振興財団というのが立ち上がるから、そこに寄付したら?」って言われたのが、そもそものはじまりで。

林:コート一枚を除いて、あとは全部寄付したんですってね。何枚ぐらいあったんですか。

小林:200着ぐらいかな。昔は、働いて稼いだお金は全部洋服に使ってた。最初のころは実家にいたので、生活費がかからないから、サンローランとかもけっこう買えてたんです。

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