脳トレ的クイズから、昭和のヒット曲やCM、人気商品などの懐かしネタまで。
そもそもまったく関係ないことを答えたりするフリーダムな「やすらぎ」ゲストを、なんとか答えに導こうとするMC・岡田のたたずまいがいつもやさしい。
時におじいちゃんの暴走が過ぎると「ピッピッ!」とホイッスルを吹いて止める姿、まるで牧羊犬よ。
その傍らでこけしのような笑顔を浮かべた「人間ジュークボックス」こと川野良子アナが、静かに昭和歌謡を口ずさむ午前4時。
「バファリンの半分はやさしさでできている」ってCM見た時は「うそー」と思ったけど、この番組の半分以上は確実にやさしさでできている、きっと。
この再放送が終わった直後、すかさず「めざましテレビ」の予告が始まる。その日の最新トピックが次々に流れ、飛び込んでくる「IOC、東京五輪延期」のテロップ。さっきまでイントロクイズで、渡哲也の「くちなしの花」なんて言っていたのに。
身体だけ令和にいるけれど、脳は昭和に置いていかれたような不思議な瞬間。夜明け前のテレビの狭間(はざま)にポッカリと時空間のゆがみが開いている。
※週刊朝日 2020年4月10日号