中国の先生が電話を切る前に僕に言っていた。「日本で報じられていることは二か月遅れてると思って聞いて。自分の体は自分で守るんだよ」。そう言った。

 世界で初めて人類が経験していることだから、みんな分からないことなのだ。だけど、日本より先にコロナが流行した国の情報をもっと、データとしてちゃんと伝えるべきじゃないかと、強く願う。デマも多いが、事実もあるのだ。その事実をどうやって自分に入れるのかが大事。今回のコロナで思うのは、あふれる情報の中から何をどうやって自分の中に入れて信じるかということ。

 そして、夜、妻と4歳の息子と3人でベッドに入っている時に、僕は、息子をいつまで保育園に通わせるべきか、妻と話した。息子は最近「コロナ」と言う言葉を覚えた。怖い病気だということも。ベッドの上で、僕がコロナのことを話していると、息子が泣いてしまった。怖くなったのだ。

 それを見て。コロナの知識を頭に入れること、予防をすることは大事だが、家の中で幼い子どもには必要以上に怖がらせないこと。一番大事なことを忘れていた。反省。

※週刊朝日オンライン限定記事

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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