いまやテレビで見ない日はないおネエ系タレント。カルーセル麻紀さんはその先駆けといえる存在だ。そんな彼女は北海道の釧路の漁師町に生まれた。9人きょうだいで、上に姉4人、兄1人。子どもの頃は、もっぱら姉や近所の年上の女の子と遊んでいたという。
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私は小さい頃からゲイであることを隠そうという意識はなかった。陰口を言われても、あまり気にしませんでした。だって、ゲイであることが自分自身なんだから。仕方ないじゃないって、と開き直ってたわ。
時代劇を見て帰ってくると、母の着物を引っ張り出して着て、口紅塗ってうっとりしていた。そんなところを父に見つかると、「このバケモノ!」って木刀でたたかれたわ。
思春期になっても、女性にはまったく興味なし。反対に、いい男を見ると胸がときめくの。自分はなんで他の男の子たちと違うんだろうと、ずっと疑問に思っていました。その頃はまだ、ゲイだのホモだのオカマだのという言葉も知りませんでしたからね。
その疑問が解けたのが、中学生の時。シャンソン曲「メケ・メケ」で人気だった丸山(現・美輪)明宏さんを見て、私と同じような人がいるんだと知り、「そういうことか」と納得したんです。ませていたから、三島由紀夫の『禁色』も読みましたね。
※週刊朝日 2012年6月15日号