「ひきこもり」と言えば「男性」というイメージが強かったが、女性も少なくないことがわかってきた。見逃されたのはなぜか。抜け出すにはどうすればいいのか。AERA 2020年4月6日号では、ひきこもり当事者の女性に話を聞いた。
* * *
私なんていなくていいのに。
都内の女性(30)は、24歳のころから4年近く、こんな思いを抱きながら自宅の部屋にひきこもった。
関西の美術系大学や専門学校で写真の勉強をしていたが、「もっと写真を学びたい」と23歳の時に東京の美大に入り直した。これからさらに楽しいことが起き、成長もできる。そう思っていたが、東京では友人もできず、悩みを相談する相手もいない。次第にしんどくなり、大学にも行けなくなった。気づいたら、自宅にひきこもるようになっていた。大学は中退し、写真も撮れなくなった。
気分に波があったが、症状がひどい時は朝から晩まで部屋のベッドで1日を過ごした。頭から布団をかぶり、何もしない。食事もとらず風呂にも入らず、自問自答を繰り返した。
著者プロフィールを見る