民主党小沢一郎元代表(69)の「陸山会裁判」の「無罪判決」を受けて、検察官役の指定弁護士が下した判断は「控訴」だった。

 控訴の報を受けて、法務省や検察の内部からは、

「もう終わりにしてほしかった……」

 との声が漏れたという。

 それはそうだろう。裁判が続くことで、最も困るのは検察かもしれない。一審で問題になった捜査報告書の虚偽記載疑惑など、彼らが闇に葬り去りたい「不祥事」が蒸し返される。「もうやめてほしい」というのが本音なのだ。

 ある検察幹部が語る。

「控訴と聞いて『まさか』と思いました。もう、このまますんなりと小沢氏の無罪で終わってほしかった。『控訴はヤバい』というのが正直な心境です。今回の判決では、無罪という結論以上に、我々があれほど捜査に力を入れた『水谷建設からのヤミ献金』疑惑が一蹴され、4億円は小沢氏の個人資産と認定されたのが痛い。検察としては、もうこれ以上、引きずられたくないという思いなんです。6月で退任する予定の笠間治雄検事総長も控訴を知って『本当なのか!?』と驚いていたそうですから」

※週刊朝日 2012年5月25日号

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