病気知らずの体をつくる驚きの腸内細菌のパワーを紹介する書『腸内革命』(海竜社)の著者・藤田紘一郎氏(医学博士)は、人は125歳まで生きられるという。その理由を聞いた。
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人間も動物も、寿命ってあるんですね。私たちは、みんな「寿命の回数券」を持っているんです。テロメアといって各細胞の末端にある塩基なのですが、生まれたときに1万から1万5千塩基持っていて、毎年平均100塩基ずつ短縮していき、約半分の5千塩基になると細胞が死んじゃうんですよ。つまり個体としての死ですね。
このテロメアの短縮を早めてしまうものがあります。老化を促進する「活性酸素」です。困ったことに、私たち現代人の周りには活性酸素を出すものがあふれています。駅の改札を通るときに使うICカードは非常に便利ですよね。でも、改札を通るときに電磁波が出る。電磁波を受けると、われわれの体から活性酸素が出るんですよ。電子レンジでチンもそうです。抗菌グッズも触れると活性酸素が出る。水道水は安全だけれども、塩素が入っているから活性酸素が出る。保存料や食品添加物が含まれた食品を食べても活性酸素が出る……。数え上げるときりがありません。
活性酸素が起こす病気としては、脳梗塞、心筋梗塞、高血糖、高血圧、アルツハイマー、認知症、がんなどがあります。みな免疫に関係する病気です。
活性酸素の影響を消すには免疫力を高めることが非常に重要です。そんな生活が実践できれば、ちょうど125歳までは元気に生きられる計算になります。
活性酸素を抑えて、免疫力を高めるにはどうすればいいか。まずは食べ物です。色や香りのある野菜や果物を取りましょう。紫のぶどうにはポリフェノール、緑黄色野菜にはカロチノイドが含まれている。ピリッとした風味のネギや大根、ハーブ類、柑橘類、キノコ類も免疫力を高めてくれます。
体の中に生きた菌を入れると腸内細菌が活発になり、免疫力がアップします。納豆(納豆菌)やみそ(麹菌)、漬物(乳酸菌)、ヨーグルト(ビフィズス菌)などを食べるのもいいですね。オリゴ糖や食物繊維、ビタミンEも大切です。
※週刊朝日 2012年5月18日号