![乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)/1976年、東京都生まれ。98年、早稲田大学在学中に書いた『五体不満足』が600万部のベストセラーに。他に『四肢奮迅』など著書多数(撮影/写真部・掛祥葉子)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/682mw/img_797a10229e0965fef8a2a1b111ff459468575.jpg)
乙武洋匡さんのコラムに多くの反響が寄せられた。新型コロナで大変な日常のなか、気づけなかった視点を指摘してくれたからだ。社会を変えるきっかけにしなければならない。乙武さんがAERA 2020年5月18日号で、コロナ後の社会に望むことを語る。
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――作家の乙武洋匡さん(44)は4月6日、ブログでコラムを発表した。自由に仕事もできず、学校にも通えず、遊びにも行けない現状を<しんどいですよね>とつづり、こう書いた。
<でもね、知ってほしいんです。この世の中には、コロナが蔓延する前から、そうした生活を強いられてきた人々がいることを。そう、私たちの社会には障害や病気とともに生きる人々がいます>
新型コロナウイルスが終息して多くの人が元の日常に戻ったとしても、<みなさんの“日常”に戻れない人々がいることを忘れずにいてほしい>とし、急速に広まりつつあるリモートワークやオンライン授業などの<選択肢にあふれた世の中になってくれたら>と訴える内容だ。
この発信に、多くの人たちから「顔面をグーで殴られたよう」「目を覚まさせられた」という声が上がり、大きな反響を呼んだ。どんな思いで言葉を連ね、発信したのだろうか。
コロナの影響で多くの方々の生活にさまざまな制限が加わっています。ただ、私の周りの障害や病気を抱える人たちの中にはそれほど影響を受けていない方がいるのに気づき、コロナの影響で大きく制限を受けているのは今まで自由に動き回れていた人たちなんだと思いました。
例えば、車いすユーザーは満員電車で通勤ができず労働市場から排除されてきたし、病気で長期入院しているお子さんや、何らかの事情で不登校状態にあるお子さんは、学びたい意欲があっても「公教育」から排除されてきました。
今、行きつけの飲食店に行けずつらい思いをしている方も多いと思うんですけど、車いすだともともと自由に行けるお店がびっくりするほど少ないんです。
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