チームの最後方のポジション、フルバックへの指示は、とにかくボールを前に蹴るんだ、でした。リスクを避けろ、をルール化したのです。
数字、数字。ルール、ルール。自主的な部活動で、ここまで縛ることは、部員のモチベーションを下げないのでしょうか。安藤さんと西田さんは口をそろえました。
「自分のモチベーションを気にするような選手は、ラグビーで活躍できません。数字やルールが嫌なら、やめなさい」
春です。それぞれのチームから部員が巣立ち、新入生が入ってきました。ことしは、新型コロナウイルスが、それぞれのチームに影を落としています。でも、秋はやってきます。対抗戦Aグループでの立教の初戦、相手は明治です。そして、早稲田、筑波、帝京、慶応……、厳しい試合が続きそうです。
「何としても2勝してAグループ6位以上になる。18年連続で入れ替え戦という立教の歴史を変えたい」
と西田さん。
最後に……。
この4月、識学は、プロバスケットボール・Bリーグ2部で債務超過に陥っていた「福島ファイヤーボンズ」を買収しました。
識学社長の安藤さんがボンズに役員として送り込んだ人、それは西田さんです。立教での実績をひっさげてプロバスケのチームに識学をふりかけると……。どんなチームになるのでしょう。これも秋に答えがわかります。(朝日新聞編集委員・中島隆)
※週刊朝日 2020年5月22日号より抜粋