大益 マグロ/骨董好きの主人が清水や九谷の古い器を使って、選りすぐりの素材でもてなす寿司店。「本マグロに比べて香りにクセがない」という理由から、南アフリカのケープタウン沖でとれるミナミマグロを長年使用。深紅の色が特徴的な赤身のヅケは、ねっとりとして濃厚。大トロは脂に嫌みがなく、甘みが強い。これからの季節は貝類もおすすめだ。ランチ3800円、コース9000円。税込み(撮影/写真部・掛祥葉子)
大益 マグロ/骨董好きの主人が清水や九谷の古い器を使って、選りすぐりの素材でもてなす寿司店。「本マグロに比べて香りにクセがない」という理由から、南アフリカのケープタウン沖でとれるミナミマグロを長年使用。深紅の色が特徴的な赤身のヅケは、ねっとりとして濃厚。大トロは脂に嫌みがなく、甘みが強い。これからの季節は貝類もおすすめだ。ランチ3800円、コース9000円。税込み(撮影/写真部・掛祥葉子)
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大益/東京都武蔵野市吉祥寺本町4-13-2(営)12:00~13:30L.O. 17:30~21:30L.O.(休)月 ※この時期の営業日、時間についてはお店にお問い合わせください
大益/東京都武蔵野市吉祥寺本町4-13-2(営)12:00~13:30L.O. 17:30~21:30L.O.(休)月 ※この時期の営業日、時間についてはお店にお問い合わせください
※この連載が一冊の本になりました。『著名人50人が自腹で通う隠れ家 人生最高のひと皿』(小社刊。週刊朝日編集部)、好評発売中。
※この連載が一冊の本になりました。『著名人50人が自腹で通う隠れ家 人生最高のひと皿』(小社刊。週刊朝日編集部)、好評発売中。

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、漫画家・江川達也さんの「大益」の「マグロ」だ。

【「大益」の店内写真はこちこら】

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 僕はデビューが決まって、最初にひとり暮らしを始めたのが吉祥寺。理由は『AKIRA』の連載で注目を集めた、尊敬する大友(克洋)さんが吉祥寺に住んでいると知ったから(笑)。ミーハー気分で住み始め、16年ほど過ごしました。

 吉祥寺にあるこの寿司店は、デビューしたての頃、当時の「ヤングマガジン」副編集長に連れていってもらいました。店に入ると分厚い一枚板のカウンターがあって、緊張しながら食事をしたのをいまも忘れません。そして初めて食べるミナミマグロのうまさに感嘆! トロはとにかく甘みが強く、赤身はねっとりと濃厚。あれから30年以上経ちますが、このマグロが食べたくていまも通い続けています。

 最近、寿司をいろいろと加工する店が増えましたが、ここは変わらず素材の味をストレートに楽しませてくれる。それだけいいネタを使っている証拠。時代とともに街の様子はずいぶん変わりましたが、いまだに懐かしい味が楽しめるのは、嬉しいかぎりです。

「大益」東京都武蔵野市吉祥寺本町4−13−2/営業時間:12:00~13:30L.O.、17:30~21:30L.O./定休日:月 ※この時期の営業日、時間についてはお店にお問い合わせください

(取材・文/沖村かなみ)

週刊朝日  2020年5月22日号