


小学校入学前にランドセルを選ぶ活動、通称「ラン活」。例年、春の百貨店には親子3世代でランドセルを選ぶ姿が見られるが、今年は新型コロナの影響で、その主戦場がおうちに移行している。リモートで行うラン活のいろはを、子ども向けファッション誌「セサミ」編集部が指南します。
■充実のカタログに、SNSでの色味比較「おうちでラン活」はこう進める
はじめてのラン活。それもリモートとなると、どこから手をつけていいかわからない読者も多いだろう。まず着手すべきは、ラン活の基本であるカタログ収集。気になるランドセルメーカーからカタログを取り寄せよう。昨今はカタログも多様化が進んでおり、ファッション誌さながらの世界観を伝えるビジュアル系から、機能や特性を網羅した実用的なものまで実に幅広い。展示会や売り場に行けないぶん、まずはおうちでじっくりチェックしよう。なお、すでにカタログ収集活動は始まっており、複数のメーカーが「過去最高の請求数」と語る。
次はメーカーのSNSをチェック。今年はどのメーカーも「おうちでラン活」を意識しており、情報発信が手厚い。大阪府堺市のランドセルメーカー・リリコは、インスタグラムやYouTubeでの動画配信を行う。撮影にもこだわりが溢れており、実際の色味に近づけるために撮影は自然光で行ったり、外観は360度撮影したり。刺しゅうや金具など細かな部分はクローズアップするなど、ランドセルをリアルに感じてもらうための工夫を凝らしている。
土屋鞄製造所では、「色味の比較」に力を入れる。実は、ラン活で意外に神経を注ぐのが色味のチェック。例えば同じ赤い色でも微妙に違うため、リアルな場でも十分な比較検討が必要だが、オンラインだとそれがやりづらい。「色の違いを知りたい」という声を受け、同社では似た色味のランドセルを並べて比較しながら紹介している。またステッチの色や素材の質感が分かるよう、寄りの映像や解説を交えたり、職人やスタッフによるランドセルの製造工程やお手入れ法も紹介したり、見て楽しい内容になっている。