「麒麟がくる」の新出演者発表会見に臨む(左から)安藤政信、間宮祥太朗、長谷川博己、ユースケ・サンタマリア、本郷奏多=2月19日
「麒麟がくる」の新出演者発表会見に臨む(左から)安藤政信、間宮祥太朗、長谷川博己、ユースケ・サンタマリア、本郷奏多=2月19日
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「SUITS season2」主演の織田裕二=フジテレビ提供
「SUITS season2」主演の織田裕二=フジテレビ提供
今春注目のドラマ (週刊朝日2020年5月29日号より)
今春注目のドラマ (週刊朝日2020年5月29日号より)

 新型コロナウイルスの感染拡大のため、4月にスタートする予定だったドラマが軒並み延期となっている。放送開始を待ち遠しく思う人は少なくないだろう。一方で、こんなときこそ深夜枠や再放送のドラマを楽しみたいと、専門家は薦める(ドラマの放送状況は5月15日時点)。

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「今春のドラマは出演者が豪華で楽しみにしていたけれど、コロナで楽しみがお預けになってしまった感じ。確かに、恋愛ドラマでチューなんて『3密』そのもの。厳しいでしょうね」

 こう話すのは、ドラマファン歴30年以上で、新しいドラマはほぼ全部チェックするという京都府在住の主婦(51)だ。

 高い視聴率が見込めるプライムタイム(午後7~11時)のドラマは、どんなラインアップなのか。ドラマ評論家の田幸和歌子さんは、こう話す。

「年度初めということもあり、冒険せず安定した視聴率を見込める作品を集めた印象です」

 堺雅人の「倍返し」で知られる「半沢直樹」(TBS系)、篠原涼子の「お時給」で話題になった「ハケンの品格」(日本テレビ系)、織田裕二主演の「SUITS season2」(フジテレビ系)、木村拓哉主演の「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)の4作品のことで、いずれもすでにファンがついている人気作品の続編だ。

 プライムタイム以外も含めると、家政婦(夫)ドラマが多いのも特徴だ。働くアラサー女子の部屋に見知らぬおじさん(家政夫)がやってくる「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)や、TOKIOの松岡昌宏が女装する「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)などで、田幸さんはこう評する。

「外出自粛で巣ごもり需要の今、偶然とはいえピッタリなラインアップ」

 話題作の多くが初回から延期される中、「SUITS season2」は4月20日の第2話まで放送して延期となった。フジテレビの広報担当者に再開の時期を聞くと、「今後の状況を鑑みながらの判断となります」。また、NHKは5月15日、大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が6月7日の放送、連続テレビ小説「エール」が6月27日の放送をもって一時休止すると発表した。

 芸能評論家の三杉武さんは、延期や収録の中止の理由について、こう話す。

「俳優やスタッフら現場で関わる人が多い。その分、感染リスクが高くなります」

 局内のスタジオは「3密(密閉・密集・密接)の極み」と言われ、局外の施設を借りようとしても断られる可能性がある。さらに冒頭の主婦が話したキスシーンのほか、抱き合ったり殴り合ったりする「濃厚接触」の演出は現状では難しい。

「(テレビ番組の中で)ドラマの制作が一番厳しいでしょう」(三杉さん)

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