書店で大きな売り場を占めるマンガ。「昔はよく読んだけど、今は種類が多すぎてわからない」という人でも手を伸ばしたくなる作品を、マンガに精通した書店員たちが教えます!今回は「歴史、時代もの」「お仕事もの」「医療もの」「サスペンス、ミステリー」のジャンルから選びました。
新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛生活中に打ってつけなのがマンガの一気読み! というわけで、充実した売り場で定評のある都内4書店のコミック担当者に、大人も読み応えありのおすすめ作品を聞いた。
■歴史、時代もの
現在57巻まで刊行の中華統一を描く「キングダム」(集英社)は今こそ読み時。
「『老若男女すべてに向けて自信を持って確実に面白い!』と断言できます。組織運営のヒントとしても読み解けるので、そんな観点で読んでみるのもおすすめ」(ジュンク堂書店・山口由香里さん、以下(ジ))
自粛で落ち込みがちなら、わくわくできる「ニュクスの角灯」(リイド社)を。
「時代が変わる瞬間、新しい文化に戸惑いつつも受け入れる人々。初見のものへ驚きと少しの不安を抱きながら魅了されていく気持ちを、主人公を通して追体験できます。アンティークの品々にもうっとりします」(紀伊國屋書店・山崎陽子さん、以下(紀))
「風太郎不戦日記」(講談社)では、過去の戦争を振り返ることで、得るものがありそうだ。
「今の先行きの見えなさと、戦時中の不安や焦燥が相似形のようにのしかかります。淡々と日常を見据える描写が面白い一方、冒頭に語られる『日本の存亡この一年にかかる』という言葉が重い」(往来堂書店・三木雄太さん、以下(往))
「戦争は女の顔をしていない」(KADOKAWA)は、旧ソ連軍に従軍した女性たちのインタビュー集。
「『元兵士とバレると結婚相手が見つからない』という理由で、女性が終戦後に口を閉ざした事実が、戦争の残す空虚さを印象付けます」(今野書店・コミック担当チーム、以下(今))