「もともと彼女はヒロイン役でブレイクしたのですが、転機となったのは連ドラ『あなたのことはそれほど』や『ホリデイラブ』で演じた“浮気をされる妻”の役。パンチのある表情が彼女の魅力ですが、浮気をされるという役を演じると一転、はかない表情がとてもうまい。強さと弱さを同時に表現できる、珍しい女優さんだと思います。彼女の売れ方からするとヒロイン役にこだわり続けてもおかしくないのに、早くからそこには見切りをつけ、脇役でも堂々と演じ切れるところもとてもいい。一児の母ですが、風俗嬢などの役柄をいとわないキップの良さが業界内でも評価されています。芝居もとてもうまいうえに画面映えする顔立ちで、幅広い役を演じ分けられる女優です」
■ジミー大西役を演じて話題に
一方、夫の中尾明慶は「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演するなどタレント業にも力を入れ、持ち前の人懐っこいキャラクターで仕事の幅を広げようとしている。前出の編集者は次のように語る。
「中尾さんといえば、子役時代に演じた『3年B組金八先生』のチュー役が代表作ですが、金八好きとして知られる松本人志さんとの相性も良く、今後も準レギュラーとして重宝されそうです。明石家さんまさん原作の『Jimmy ~アホみたいなホンマの話~』ではジミー大西役を演じましたが、小出恵介さんの不祥事で撮り直しを余儀なくされたという騒動もありました。しかし、その一件でバラエティ界の重鎮であるさんまさんとの関係もより深くなったため、今後はバラエティでの活躍がどんどん増えると思います」
2016年には「陽性」というタイトルの小説を出版。今となってはなかなか口に出しては言いづらいタイトルだが、そんなマルチな才能も持っており、今後は俳優業以外でも精力的に活動していくことが予想される。
夫婦揃って順風満帆な印象を受けるが、TVウオッチャーの中村裕一氏は、仲里依紗と中尾明慶夫妻の魅力を次のように分析する。
「俳優同士の夫婦といえば、山口智子&唐沢寿明、松嶋菜々子&反町隆史といったビッグカップルがすぐに思い浮かびますが、仲里依紗と中尾明慶はそれらを“アップデート”した存在になりつつあります。ひと昔前だと、芸能人夫婦というと極端に共演を避けるせいか、仮面夫婦の象徴のような印象があったかもしれませんが、このふたりは仲の良さが画面からも伝わってきて、その親しみやすさが多くの人たちからの支持を得ているのでしょう。夫婦揃っての露出というと、下手をしたら『お金に困っているのでは?』と邪推される恐れもありますが、ふたりの場合、ホリプロ(中尾)とアミューズ(仲)という大手事務所の所属なので、芸能活動が安定しているという強みもあります」
6月6日にNHK総合で放送予定のリモートドラマにも夫婦で出演。コロナ禍に企画された注目度の高いドラマに夫婦で主演するということは、現時点で芸能界を代表する夫婦として認知されているということだろう。
「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言がひとまず解除され、今後は新しい生活様式や働き方が模索されていく中、飾らないナチュラルな姿を通じて『夫婦で一緒に新しい時代を乗り越えていく』というライフスタイルを体現し、提示していくのではないでしょうか」(中村氏)
等身大の親しみやすさを武器に、ナチュラルな夫婦像を発信し続ける仲里依紗と中尾明慶夫婦。ふたりが芸能界で“最強の夫婦”になる日も、そう遠くないかもしれない。(藤原三星)