巨人の坂本勇人(C)朝日新聞社
巨人の坂本勇人(C)朝日新聞社
巨人の大城卓三(C)朝日新聞社
巨人の大城卓三(C)朝日新聞社

 巨人は6月3日、坂本勇人と大城卓三が新型コロナウイルスのPCR検査を受け、陽性判定だったと発表したことは、他球団にも大きな衝撃を与えた。

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 巨人は3日に西武と練習試合(東京ドーム)を行う予定だったが、試合開始約1時間前に中止を発表した。「選手2人が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されたとみられる」と各メディアで報じられ、各球場で練習試合を行った選手たちの間では、「誰が感染したの? 体は大丈夫なの?」と試合前から話題になっていた。そして、巨人が夕方の会見で坂本と大城の感染を公表して驚きが広がった。坂本は「4番・遊撃」、大城は「7番・捕手」で前日2日の練習試合・西武戦(東京ドーム)にスタメン出場していたからだ。

 他球団の首脳陣は、こう不安を口にする。

「坂本も大城も体調に問題がなく、味覚嗅覚(きゅうかく)の異常も感じていなかったというニュースを見て、さらに不安になったよね。無症状っていうことでしょ? 全球団で検査したら陽性判定される選手がまだまだ出てくると思う」

 他にも気になる点があったという。

「巨人の発表で『微陽性』って言葉だよね。正常値ギリギリと言うけど、陽性か陰性のどちらかじゃないの? 初めて聞いた言葉だし、戸惑うよね。2人は開幕に間に合うとなっているけど、そういう問題なのかなって。他の選手やスタッフに感染が広がっている可能性もあるわけだし、2日の試合だって大城と坂本は出ている。まだ陰性判定が出たわけではないでしょう?(その後のPCR検査で陰性と判定)」

 19日の開幕まであと2週間という中で判明した巨人の主力選手のコロナ感染。ある選手は、こう漏らす。

「これ以上公式戦が延期になったら心理的にしんどいです。今回は坂本さんと大城さんの感染が判明したけど、シーズン中にも感染者が出ると思う。そうなったらペナントを中断するんですかね。遠征で新幹線や飛行機移動も多いし、選手やスタッフに感染者が出たら感染経路が当然取り上げられるし、世間から『迷惑をかけている』と悪者にされてしまうのが怖いです」

 このまま開幕していいのだろうか――。野球ファンだけでなく、選手、首脳陣、スタッフも葛藤を抱えている。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事