■国民年金も免除の措置あり
年金について会社員は「第2号被保険者」と呼ばれ、厚生年金と国民年金の両方に入っていますが、失業した場合は「第1号被保険者」となり、住んでいる自治体の国民年金担当窓口で切り替えの手続きをしなければなりません。退職した日から14日以内が期限です。
こちらも失業時の減免制度が用意されています。失業した場合、通常の減免審査と違い本人を除く家族の前年度の収入次第で保険料が免除されます。たとえば夫婦2人世帯の場合、夫が失業したとすると妻の前年所得額が92万円以下であれば全額免除、195万円以下であれば半額免除の対象なります。
ただ免除を受けると、年金受給のための必要期間は減ることはないのですが(受給資格期間算入はされる)、将来の年金額の計算をするときに満額納めていたときに比べて2分の1の計算(全額免除の場合)になります。再就職するなどして支払う余裕が出てきた場合は、年金の追納制度を利用することで将来の保険料を増やすことが可能です(過去10年以内の期間制限あり)。
また、国民年金保険料は社会保険料控除対象なので、追納することで所得税・住民税が軽減(安く)されます。ただし、3年以上経った追納には、追納加算がついてしまうので追納するなら早めがおすすめです。
なお、新型コロナウイルスの影響により国民年金の納付が困難な場合には、臨時特例措置として、失業ではなく収入減少などでの免除申請が可能となっています。国民年金は未納ですと、将来の年金受給にかかわるだけでなく、遺族が遺族年金を受け取れない、障害状態になっても障害年金を受給できないこともありますので、支払いが困難な場合は、必ず減免申請をしておきましょう。
次回もすぐに役立つ社会保障や新型コロナウイルス対策の保障、救済制度が新たに決まれば、それについても解説していきたいと思います。
(構成・橋本明)
※本連載シリーズは、手続き内容をわかりやすくお伝えするため、ポイントを絞り編集しています。一部説明を簡略化している点についてはご了承ください。また、2020年5月29日時点での内容となっています。