ここまで幾度となく「プリン」という文字を読んできたあなたの顔は今、にっこりとほほえんでいるのでは?

 それも当然。毎月25日は「プリンの日」。「プリンが笑顔(にっこり=25)につながる」という語呂合わせからオハヨー乳業が制定し、10年8月に日本記念日協会が認定・登録している。

 プリンはなぜ人を笑顔にするのか。卵色の優しいデザートには、笑顔の素となる小さな頃からの楽しく、優しく、おいしい思い出がみっちり詰まっているからではないだろうか。

 幼いころ親やきょうだいと一生懸命に作ったプリン。家庭科で友人と大騒ぎしながら作ったプリン。初めてのデートで食べた喫茶店のプリン。うれしいことがあった帰り道に自分へのご褒美で買った人気店のプリン。仕事で心が折れそうな時に元気を出したくて買ったコンビニのプリン……。プリンはいつでも私たちの思いの側にいてくれた。

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、自宅にいる時間が長くなっている今。1人の人も家族と一緒の人も、いまこそプリンを口にしてほしい。もちろん買っても作ってもノープロブレム! 今までプリンを食べたときの楽しさと幸せがよみがえって、ステイホームの時間を笑顔にしてくれるはずだ。(ライター・伊藤彩子)

AERA 2020年6月8日号より抜粋