緊急事態宣言が解除されましたが、今後もリモートワークを継続する企業が増えているようです。外出自粛期間中に、普段、思わぬストレスにさらされていたことに気づいた人も多いでしょう。『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新書)の著者で組織戦略コンサルタントの西野一輝氏がビジネスパーソンの本音を取材しました。
【写真】『モチベーション下げマンとの戦い方』を指南する西野一輝
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緊急事態宣言によって、職場の同僚たちと机を並べてない期間が2か月近く経過しました。リモートワークに対する評判はどうだったのでしょうか。
「長時間の通勤がなくなり、始業までの時間に余裕が生まれた」「出張しなくても地方の取引先と打ち合わせができるので効率的」「自宅で座り続けることで、肩こりなど体調面での苦労はあるものの問題なく業務を行えている」……。
このように、幅広い世代から「リモートワークをしてみてよかった」と回答が返ってきました。
例えば、広告代理店に勤務している知人のDさんは、クライアントとの打ち合わせが効率的に行えるので残業が減ったと話していました。これまでは、夕方からの打合せの終了後に接待・会食を行い、仕事が終わるのは21時以降。会議室ですべてのことを決めるのではなく、飲みながら「次回の企画もよろしくお願いします」と交渉が行われていました。
こうした仕事のすすめ方ができなくなると、「契約が取れなくなるのでは」という不安も多少はあったようですが、ウェブ会議で金額やスケジュールをしっかり確定させて、次以降の営業活動も問題なくできているとのこと。すると、仕事をする必要がなくなった夕方以降の時間に自宅周辺をランニングできるようになり、体調もすこぶるよくなったといいます。「自分はリモート推奨派です」と断言していました。
もちろん、対面でないと仕事がスムーズに行えないと感じた業務もあるのでフルリモートを長く続けるのは厳しいものがあります。
ただ、5月に行われたコロナ収束後の働き方に関するアンケートをいくつか確認してみても、「勤務時間におけるテレワークのシェアを全体の半数くらいに上げていきたい」という回答が幅広い世代で目立ちます。