世界一のリーダー養成校とされる米ハーバード大学の大学院ケネディスクール。そこに通う"未来のエリート"が、日本政府の原発規制のあり方に疑問を投げかけた。
米国政府の機関で東ヨーロッパの開発援助などに携わっていたアンドリュー・チャコヤンさん(34)は、ウクライナ出身の米国人だ。チェルノブイリ原発の事故が起きたときは9歳で、東ウクライナに住んでいた。
「当時はソビエト連邦の一部だったため、事故に関する情報は一切入ってきませんでした。日本は共産主義ではなく民主主義国ですが、福島の原発事故ではパニックにならないように、限られた情報しか公表されなかったと聞いています。政府も確かな情報を持っていなかったのでしょうね」
さらに日本政府の存在そのものを問うような声も。シンガポール人のアルビン・ウーさん(34)は、シンガポールで防衛省に勤めた後、外交官としてフランスのパリに赴任していた。
「今回の問題は原発そのものではなく、日本政府の規制のあり方にありました。原子力安全・保安院などの政府機関より、東京電力の発言力のほうが強かったのではないでしょうか」
※週刊朝日 2012年4月6日号