今夏に合わせてピークを合わせてきたアスリートたち。それだけに1年延期はパフォーマンスやモチベーションに大きく響く。不調だった選手にとっては立て直す好機ともいえる。競泳平泳ぎロンドン五輪メダリスト・鈴木聡美さんもそう捉える。AERA 2020年6月29日号で、東京五輪への思いを聞いた。
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12年ロンドン五輪で3個のメダルを獲得し、16年リオデジャネイロ五輪にも出場した競泳女子平泳ぎの鈴木聡美は、東京で3度目の五輪出場をねらっている。
競泳は4月に予定されていた選考会を兼ねた日本選手権が中止に。同選手権は代表をかけた一発選考の場だっただけに、五輪本番同様に1年の延期が選手に与える影響は小さくない。
鈴木は、少し申し訳なさそうにこう話す。
「ほとんどの選手が今年にピークを合わせていたと思いますが、私の場合は、開催してほしかった気持ちもあるものの70%はホッとしています。正直、今季は泳ぎの調子があまりいい状態ではなかったので、泳ぎ方や計画を見直す時間ができたというか。安易に1年延びてよかったとは言えませんが、自分自身にもう1年頑張ろうと言い聞かせています」
2度の五輪を経験し、酸いも甘いも知る鈴木の言葉には落ち着きが感じられる。