通勤、買い物、仕事――。今や、あらゆる場面で欠かせなくなったマスク。しかし、暑さ本番を迎えるこれからの季節、気をつけなければならない心配事がある。マスク着用による肌トラブル。いわゆる「マスク皮膚炎」だ。
東京・秋葉原の「秋葉原スキンクリニック」では4月以降、マスクを背景とした肌トラブル相談が増加傾向にある。院長の堀内祐紀医師によれば、特に多いのがニキビと肌荒れ(皮膚炎)。
「マスクを長時間着けていると、内部が加湿状態になります。それにより、皮膚の角質層に水分がたまり、皮膚がふやけてしまいます。その状態でマスクを外すと、今度は湿度の急激な変化により、外気にさらされた皮膚から水分が失われ、乾燥します。その結果、皮膚の新陳代謝が妨げられ、毛穴からの皮脂分泌がうまくいかなくなり、ニキビができやすくなります」
長期間、マスクをしていたことが原因とみられるニキビは、肌荒れを併発しやすいという。
「肌荒れは、マスクとふやけた肌がこすれる状態が長時間続くことにより発生します。この肌荒れ自体も、ニキビを悪化させる要素になりかねません」(堀内医師)
こうしたトラブルを抱えやすいのが若年世代だ。製薬会社の第一三共ヘルスケアが今年4月、男女995人を対象に行ったアンケートでは、20~30代男性の約半数(47.3%)、20~30代女性の約7割(68.7%)が今年に入り、ニキビや吹き出物などマスクによる肌トラブルを経験したと回答している。
では、どんな対策をすればいいのだろうか。堀内医師は、スキンケアが大切という。