通勤途中、駅の事務所の奥をふとのぞくと、駅員さんがガシャガシャとベンチプレスを上げている――。

 想像するとふき出してしまうような光景が、大阪では実在するようだ。

 大阪市の第三者調査チームは3月1日、市職員や労働組合の活動実態について調べた中間報告を公表した。報告によれば、市の交通局が運営する地下鉄の乗務所、バスの営業所の大半にトレーニングマシンが置かれ、会議室には卓球台が並んでいた営業所もあった。

「まるで組合の"秘密基地"のような部屋があちこちにあったようです。市の施設を組合活動で使用する際に必要な申請手続きもせずに勝手に使い、市も黙認する『ヤミ便宜供与』と思われます。サンドバッグや野球用品が置いてあったり、なぜかバーベキューセットがあったりと、まさにやりたい放題です」(市関係者)

 職員採用の口利きも行われていたようで、履歴書に推薦者とおぼしき労組職員や幹部職員の名前が書かれた痕跡も。消しゴムで消してあったというが、ほぼ判読可能だというのだから、間の抜けた話である。

「市の職員はほぼ全員が何らかの口利きをしてもらって採用されたようです。何百万円という謝礼が支払われたケースもあると言われています」(同)

※週刊朝日 2012年3月16日号