“飛ばし屋”として長きにわたってゴルフ界に君臨したジョン・デーリー(写真/gettyimages)
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「飛距離は何ヤードですか?」

 こう聞かれたら、一体何と答えるだろうか?

 仮にあなたが男性の一般アマチュアゴルファーで飛距離不足に悩んでいるなら200ヤードくらいと言うか、あるいは力のある方なら逆に「250ヤード以上!」とちょっとドヤ顔でアピールするかも知れない。しかし大抵は、220ヤードや230ヤードと答えているのではないだろうか?

 国内ではアマチュアゴルファーの飛距離についてしっかりと調査されたデータは見当たらない。先に挙げた飛距離も、筆者がこれまでの経験で感じたものに過ぎず、人によっては「そんなことない!」なんて感じることもあるはずだ。

 しかし、ここに衝撃のデータがある。全米ゴルフ協会とR&Aではアマチュアゴルファーの飛距離調査を公表。それによると、2019年の男性アマチュアゴルファーの平均飛距離は216ヤードだったという。

 これは英国のアマチュアを対象に行った調査で、ハンディキャップが6以下だと平均239ヤード、ハンディ21以上だと177ヤードというショッキングな数字が並んでいる。ちなみに女性ゴルファーの平均は148ヤード。ハンディキャップ別で見ると男性よりもその差は顕著で、ハンディ6以下なら197ヤードだが、ハンディ29以上になると120ヤード程度となったようだ。

 一般的に欧米のゴルファーの方が、日本人ゴルファーよりもパワーがあると言われているが、英国人を対象としたデータがこの結果だったということは、日本人アマチュアのアベレージは、皆さんの想像以上に「飛んでいない」ということになるのかも知れない。

 では、プレーのみならず飛距離でも世界最高峰のPGAのツアープロは、どれだけ飛ばしているのだろうか?

 今季のドライビング・ディスタンスのスタッツ(トラベラーズ選手権終了時)を見ると、なんと76人が平均300ヤード越え。トップのキャメロン・チャンプ(米)は320.8ヤードと、男性アマチュアの100ヤード先までティーショットを運んでいる数字になっている。そして全米ゴルフ協会とR&Aのデータによれば、昨年のツアーのアベレージは293.3ヤードとなっていた。

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