※写真はイメージです (GettyImages)
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 スマホの普及は日本人の恋愛も激変させた。若者が利用者の中心だった「オンライン婚活」が近年、中高年の間で急速に普及しているのだ。コロナ対策で“密”を避ける流れもあり、既存の結婚相談所もオンラインに進出。体験者に取材すると、出会いに超積極的なシニアの本音が見えてきた。

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 平日の夕方、ご飯時。自分の作った料理が、なぜか、味気なくなっている。

 神戸市のマキさん(仮名・64)は20年前に離婚、子ども2人は10年前に独立した。昨年、仕事もリタイアして、ほっと一息ついた。話し相手でもある愛犬のテリアと悠々自適な生活と思っていた。だが、なんだろうこの感情?

「料理は好きだし、なんでも作れます。でも、たまに何かがプツンと切れる。この先ずっと自分でご飯を作って一人で食べるのかなと」

「再婚」という言葉が脳裏にちらつくようになったが、リタイアした身には長年の友人か隣近所しか人間関係がなく、身近に親しくなりたい男性はいない。特に、今春は新型コロナウイルスの流行のせいで、2カ月以上も人と会って話すことがなかった。

「スーパーの店員さんにわざわざ、『あの商品、入っているかしら』なんて用もないのに聞いていました」

 ある時、知人から「最近は年配者もマッチングアプリで出会い、結婚までしている」と聞いた。マッチングアプリは、スマホやパソコンから気軽に始められるのが特徴だ。自分のプロフィルを登録して公開すると、気になる異性に「いいね」ボタンを押せる。互いに「いいね」をするとマッチングが成立し、メッセージの交換が始まる。

 当初、若者向けのツールと思い抵抗があったマキさんだが、市内に住む長女に手伝ってもらいながらアプリをダウンロードしてプロフィルを書き込み、顔写真を撮ってもらった。

 登録翌日にアプリを開くと、大きなハートマークが表示されていた。「あらー、私にも来るものなのね」。男性から「いいね」が来たのだ。相手のプロフィルを見ると50代後半の男性。住んでいる地域も近い。マキさんも「いいね」を押してマッチングが成立した。

 この相手とは会うまで至らなかったが、次にマッチングした70代の男性とは進展があった。やはり住所も近く、今度は語学好きという共通点もあった。

「プロフィルは証明写真みたいだった。真面目な人なんだろうと思いました」

 アプリ内で自己紹介を交わした後、メッセージのやり取りを続け、近日中に会う約束をした。

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