そんな細やかな気配りがクローズアップされたのは、今年1月29日のツイートだ。
>明るみになる事が清いのか、明るみにならない事が清いのか…どの業界、職種でも、叩くだけ叩き、本人達の気力を奪っていく。皆んなが間違いを犯さない訳じゃないと思う。国力を高めるために、少しだけ戒める為に憤りだけじゃなく、立ち直る言葉を国民全員で紡ぎ出せないのか…>
このメッセージを三浦さんはどんな思いで書いたのだろうか。
「何に対しての投稿なのかは本人も明かしていませんが、ネットでは当時、唐田えりかとの不倫が発覚した東出昌大へのバッシングに対してなのでは、といった声もありました。三浦さんと東出は映画『コンフィデンスマンJP―ロマンス編―』(2019年公開)でも共演していて、プライベートでもたまに連絡を取り合う間柄だったそうです」(同前・スポーツ紙記者)
三浦さんが“実力派俳優”という評価を確かなものにしたのは、4年前の舞台「キンキーブーツ」だろう。舞台関係者は「この舞台がきっかけで仕事に対する向き合い方に変化が出たのかもしれない」と話す。
「三浦さんはドラァグクイーンのローラを演じましたが、この舞台は美しく華やかな舞台に立つローラと保守的で倒産の危機にある靴工場の従業員たちが困難を乗り越え再生していく物語です。困難な中でも自分らしく生きることの大切さを教えてくれる、互いを受け入れ、自分が変われば世界も変わる、というメッセージ性の強い舞台でした。三浦さんは、このメッセージに強く共感したそうで『仕事をしていく上で、何か別のものが見えたような気がする』ということを仕事関係者と話していました」
当時を知る女性誌の記者はこう振り返る。
「このとき、三浦さんは『(女性の)高音が出るか心配だ』と繰り返しボイストレーニングに通い、役作りをしていました。W主演の小池徹平さんの歌唱力をすごく評価していて、『僕も早く追いつかないと』と自らを追い込むようにして努力していました。ダンスのレッスンも同様にストイックに没頭して、当時交際をしていたダンサーの女性にもアドバイスをもらっていたようです。それが功を奏して、舞台を見た関係者からは『ブロードウェイでも通用するのではないか』と評価されていたほどでした」
他にも同様に、努力家で人あたりがいい、イケメンでも気取らない、優しくて周囲に気をつかえるなど、芸能界からは本当に三浦さんが周りの人から好かれ、評価されていた声ばかりが聞こえてくる。こうした「人に好かれる資質」は三浦さんのキャリアも関係しているのでないか、とある芸能関係者は話す。
「子役から芸能界に入った三浦さんは、常に大人に囲まれる生活をしてきました。それゆえ、周囲の反応をよく見ているし、サービス精神が旺盛なところがあった印象です。たとえば、俳優仲間とお酒を飲むときも場を和ませるために自分からバカな話を振ったりしていたようですし、ドラマの番宣などでテレビ出演するときもあえてボケ役を買って出たりするところがありました。そうした気遣いができすぎる、優しい性格が何かの悩みにつながったのだとしたら残念でなりません」
今、三浦さんのあまりにも早い死に日本中が悲しみに包まれている。合掌。(AERAdot.取材班)