三浦春馬さん(c)朝日新聞社
三浦春馬さん(c)朝日新聞社

 俳優の三浦春馬さんが18日、亡くなったことがわかった。30歳だった。自殺とみられる。突然の訃報にネット上ではファンや関係者らの悲痛な声が広がっている。

【画像】AERA表紙を飾った三浦春馬さん。「常に僕は自然体」と語っていた

 アエラ本誌では、2015年8月3日号で三浦さんと俳優の水原希子さんの対談を実施。実写映画「進撃の巨人」に出演するにあたって感じたプレッシャーや意気込みを語っていた。

 三浦さんは自身が演じたエレンの葛藤について、「たとえば、10代の時に思い描いていた20代の自分が、いざその年になってみると、まったく違っていて、焦る瞬間」があると自身の経験と重ね合わせながら作品の魅力を話していた。ここでは当時の対談をそのまま再掲する。

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三浦春馬さん:エレンを演じることには、ものすごいプレッシャーがありました。あれだけ人気のある漫画の、しかも主人公。業界内でも注目度が高かったので、先輩方にも「楽しみにしている」と言われると、励みにはなったけど、本当にしっかりしなきゃって。

水原希子さん:実は、私は漫画を読んだ時から、ミカサはヒロインだけあってとてもきれいな女性だし、強くて魅力的なキャラクターだと思っていて。だから、もし映画化されるのなら、恐れ多いけれど、ミカサ役がいいなあって思っていたんです(笑)。

三浦:漫画のエレンは、青臭くて、何かに突き進むエネルギッシュな部分を持っているんですけど、映画の中の彼は孤独。あるいは、何かに焦っているようにも感じました。そうした一匹オオカミっぽい感じは常に意識して演じていました。

水原:ミカサって、漫画と映画のどちらでも強いです。だけど、それぞれ強さの種類が違うのかなと感じています。漫画では、子どもの時にエレンを守るため、人を殺したりして、ヘビーな過去を持っている。何ていうか、子どもの時からいろいろなことを悟っていて、カリスマ的な強さ。でも、映画の中の彼女は幼くて、何の闇も抱えていない天真爛漫でピュアな部分があります。それがやがて、愛する人のために戦い、大きな愛を持った女性に変わっていったように思います。

三浦:僕の解釈で話させてもらうと、映画化するにあたって、樋口真嗣監督は普遍性を感じてほしかったんじゃないかなと思ったんです。つまり、エレンは孤独で、漠然と現状に納得がいかずにもがいているんだけど、大きな目標や、自分が打ち込めるものが見つかっていない。だから、仕事も辞めてしまうし、何かに当たる……。これって、誰もが経験したことがありますよね。たとえば、10代の時に思い描いていた20代の自分が、いざその年になってみると、まったく違っていて、焦る瞬間です。だから、自分に近い視点で見てもらえると思うんです。

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