さらに不安にさせるのは、小池百合子東京都知事の他人事感だ。7月2日、知事は「今日もかなり多いと報告を受けています。60人台に乗せると聞いています」と言った。乗せる……って、誰が主語ですか? さすがに「数字を操作してんのか!?」という疑問がSNSであがったが、7月16日にも「途中経過だが280台に乗せるだろうと聞いている」と発言している。2度続いたら「言い間違い」ではないでしょう。そしてそれを「都知事の責任は!?」「乗せるとは?!」と誰も突っ込まない都庁に集う記者たち。まるで占師に「今日の数字」を聞いてるだけの役割にみえる。(これを書いた後に、東京都がファックス2台で感染者数を把握していると報じられた。報道によれば一日300人の処理が『限界』だという。・・・つまり、操作じゃなくてファックス処理能力問題からの、「290人まで頑張ろう!」というかけ声だった可能性がある)

 真実が見えない状況。予言者として他人事のように、数字をただ発表しているだけに見える知事。都民が自己犠牲のもと、必死の自己責任で生きてるだけで、何もやってもらえてない感が日に日に深まる。

 相変わらずテレビでは「夜の街関連」とか言っている。いや既に「昼の街」の方が怖いよねという状況なのではないかと誰もがうっすら思いながら、今日も自己責任で外に出る。怯えずに生きていたいのに。必死にならなくたって、楽に生きていける社会の方がいいのに。

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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