「ゲームはルールを覚えないと遊べないので、ルールを学んで守ることができるようになります。自分のことだけではなく、相手が何をやりたがっているかを考えないと勝てないので、察する力もつきます」(男性)
遊びたいから、ルールを覚えて守る。負けても我慢できるようになる。相手のことを考える習慣もつく。
とはいえ、相手は子ども。手加減してあげることは?
「ゲームに関してはありません。何回かに1回勝てるくらいが夢中になれますし、親も普通に負けますよ」(同)
大人のファンが多いドミニオンなど難易度の高いゲームについては、「実力がモノを言う」部分が大きいため、最初に子どもたちに難易度選択をさせて遊んでいた。だが、5歳の時にこのゲームを始めた長男(12)は、現在では男性を負かすこともある。
ゲーム中の様子を見せてもらった。家族全員が本気だ。長男が妹にアドバイスしているのも目にした。
話題の「犯人は踊る」のプレーに記者も参加したが、手番ごとにくるくる手札が変わり、スリリングで気が抜けない。いちいち動揺する記者を尻目に、8歳の娘たちのほうがよほど肝が据わってポーカーフェースだ! ゲーム後に感じたのは、やり切った感と、「もう1ゲームやりたい」という欲求だった。
男性は、ボードゲームやカードゲームは「親と対等にコミュニケーションできる」貴重なツールだとも考えている。ゲーム中、親子間の会話は増える。いずれ成長して親との人間関係が難しくなるときが来ても、親子という関係を離れて、人間関係を持続できるかもしれない。
子が親と一緒に遊べて、頭もよくなる。何より、プレー後に訪れる「全力で遊んだ感」は清々しい。この夏のレジャーのひとつに加えたい。
(編集部・熊澤志保)
※AERA 2020年7月27日号
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