7月11日、東京・シアタークリエで2本の新作ミュージカルが無観客で上演され、ネットで生配信された。プロジェクト名は「TOHO MUSICAL LAB.」。AERA 2020年8月3日号では、作品に出演した生田絵梨花さんと妃海風さんに話を聞いた。
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中継されたのは1夜の1公演のみ。その後、2日間のアーカイブ配信も含めると延べ6千人以上が鑑賞。シアタークリエの客席数の約10倍だった。
生田絵梨花(以下、生田):無観客で演じる、ふわっとした緊張感は、とても不思議な感覚でした。少人数の舞台で温かい時間を過ごせたのも心地よくて。でもそんな経験をしたからこそ、やっぱりお客様の反応を肌で感じたくなりました。カーテンコールのときは、大勢のお客様が座っている客席を想像しながらお辞儀をしました。
妃海風(以下、妃海):私も今まで味わったことのない空気を感じました。短期間のお稽古でしたが、共演者の方たちとの一体感は強くなった気がします。ただ、やっぱりカーテンコールでは達成感があるのに寂しくて。これほどお客様の存在が大切と教えられた舞台はありませんでした。
生田さんと妃海さんは制作発表のときが初顔合わせ。ミュージカルを心から愛する二人はすぐに打ち解けた。そこでインタビューではお互いに聞きたいことはないか、たずねてみた。
妃海:私は「かわいいは正義」と思っていて、アイドルが大好きなんです。私もかわいくなりたいと日々、努力しているんですが、生田さんが思う「かわいい」を教えてください。
生田:かわいいの定義ですか(笑)。私が乃木坂46のメンバーをかわいいと思うのは、好きなものを食べてうれしそうにしているときです。喜びがあふれているのがかわいくて。
妃海:わー! その気持ち、分かります。かわいいですよね。
生田:私は妃海さんにお会いして、「こんなに太陽のように周囲を明るくする方はいない」と思いました。妃海さんのように初対面の人とも親しくお話しできるコツを教えてください。
妃海:じつは私、超がつく人見知りでした。でも、たくさんの方と話すうちに悪い人はいないと気づいたんです。どんなに怖そうな人でも絶対にいい人。それからは誰に話しかけても大丈夫と思えるようになりました。
生田:すごく勉強になります。私も人見知りなので、どうしたらいいのかと思っていたんです。これからは「全員がいい人」と思ってお話ししてみるようにします。
(ライター・角田奈穂子)
※AERA 2020年8月3日号より抜粋