放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、TBS日曜劇場「半沢直樹」について。
【写真】コロナ禍の視聴率は?「半沢直樹」「ハケンの品格」「SUITS/スーツ2」「エール」…今期のドラマは粒ぞろい
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ドラマ「半沢直樹」の続編が始まり、毎週、日曜日、夜21時からリアルタイムで見させてもらっています。録画したものを見るのではなく、その時間に見たい!と思わせてくれる作品は、今の時代のテレビにとても貴重だなと思っています。しかも日曜日の夜、「また明日から仕事か~」とブルーな気持ちの人が多いと思うんですが、このドラマはリアル「ファイト一発!」なドラマなんですよね。魂注入してくれる。
いろんなドラマ見ていて、やはり作り手としての自分で見てしまうところがあるのですが、このドラマは特に作り手として勇気をもらっている。というか、喝を入れられているんです。
僕が脚本をしていた、ドラマ「M」はコロナ禍で撮影が一か月以上止まりました。そして撮影再開する時に、元々の台本からロケ場所などを変更したところがあります。
特に撮影再開した当初は、そういう状況下で撮影するのも初めてなわけだからピリピリしますよね。できあがった作品を見て「あ~、やっぱり、あの場所ではロケが出来なかったんだな~」と思って見たりしました。
コロナ禍以降、色んなドラマを見ていて、ソーシャルディスタンスこそ取ってないけど、気を遣って撮影してるんだなと思うことがよくやります。「本当はここ、群衆シーン欲しいだろうな~」とか。
で、今回の「半沢直樹」では、居酒屋とか焼き肉屋さんで半沢直樹が話すシーンが1話、2話で見られました。その店内がめちゃくちゃ密なんです。これでもか!というくらいの密。パンパンの店内で話しているシーンがある。それを最初に見た時、僕は思いました。「懐かしい!」と。
一年前だったら普通に見られた光景ですが、今はかなり減ってます。ほぼないと言っていいのかもしれない。当たり前の景色が当たり前じゃなくなっている。だから「一年前はこうだったよな」と思ってしまう自分がいて「懐かしい」と思ってしまうんです。これは考えすぎかもしれませんが、わざとああいうシーンを入れているんじゃないかとさえ思う自分がいる。