◆気遣うふりして主導権手放さず◆
太め女性恋愛応援カウンセラーの羽林由鶴(はねばやしゆず)さん(46)は言う。
「ファーストネームで呼ぶと親近感を覚えさせます。『ドキドキ』のような擬音語をまぜている点も、2人の距離が縮まった感じを与えます」
もちろん、性的なことをにおわせるのも忘れない。
〈嘉之さんは10年ほど彼女がいなかったといっていましたが、女性に性欲は感じなかったのですか? 突然、彼女ができても平気ですか?〉
色っぽい呼びかけに、当然ながら大出さんのテンションも上がり、〈試してみる?〉などと、くだけた調子でメールを返している。
だが、大出さんに甘いメールを送った同じ日、木嶋被告は同じ婚活サイトで知り合った80代の男性Cさんともやりとりを始めているのだ。
高齢のCさんには、
〈Cさんのご年齢で一人暮らしをされているなんてご立派です。お体は悪いところはないですか。私は介護の仕事をしているので、お世話したい衝動に〉
などと介護ができることを強調。前出の羽林さんによると、かなり高等なテクニックも駆使している。