住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2019年、09年) [週刊朝日2020年8月7日号より]
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2019年、09年) [週刊朝日2020年8月7日号より]
新型コロナウイルスの感染拡大で生活設計が変わり、移住を考えている人が増えている。そこで今回は人口増加率について、国の公表資料を基にしながら独自にランキングをまとめた。自分の住みたい街はどこなのか。この機会にぜひ考えてみてほしい。
「これまで移住を考えていた人がコロナで背中を押され、相談が増えています」
こう言うのは移住相談を行う「ふるさと回帰支援センター」(東京都)副事務局長の嵩和雄さん。6月の面談や電話、メールでの相談件数は昨年の約2280件に対し、今年は約2800件に増えた。背景には、コロナ禍で在宅勤務が増えるなど、働き方や暮らし方の価値観の変化がある。
「若い人はライフスタイルを変えたい人が多く、仕事のある地方都市が人気。中高年には路面電車がある広島市や熊本市などの街がお勧め。坂がなく都市機能がコンパクトに詰まっており、住みやすいです」(嵩さん)
これまでどんな街が人々から選ばれてきたのか。編集部では総務省が公表している全自治体の最近10年間の人口増加率を調べた。選ばれてきた理由を見ていこう。
3大都市圏ランキングを見ると、中央区(東京都)、大阪市中央区、名古屋市中区など都市機能がコンパクトにまとまった中心部で人口が増えている。通勤時間が短く、家庭での時間が増えることから、中高年の移住も多い。
中央区では再開発でタワーマンションが林立し、1997年から人口が9万人以上増加した。区内には来夏開催予定の東京五輪の選手村があり、大会後には約1万2千人が住むと見込まれる。「街は歩いて回れるほどの大きさ。銀座、日本橋などがあり、全てのものがこの地区にそろっており、人気が高い」(区担当者)
若い世代に人気なのが中心部から少し離れた街だ。10位の長久手市(愛知県)は名古屋市と豊田市に挟まれたベッドタウン。15位の流山市(千葉県)や17位の戸田市(埼玉県)は東京都心へのアクセスがいい。自治体も子育て支援などに力を入れる。